犬のしつけは、犬の本能、犬の習性を理解することからという森田式犬のしつけ

犬のしつけのスタート

犬をはじめとしたペットはかわいいものです。ペットにはさまざまな生き物がいますが、犬は人の近くで共に過ごしてきた長い歴史をもつ動物です。これからも私たちと良い関係でありたいと思います。良い関係というのはただ可愛い可愛いでは成り立つものではありません。甘やかしが放置されるといわゆるしつけが身につかないばかりか、主従の関係が理解できなくなりお互いのストレスがたまるばかりで、愛情が伝わらないイライラから厄介ものにさえなってしまう危険があります。
「犬のしつけ」と一口に言いますが、それは犬と人とが向かい合う真剣な姿勢が要求されるものなのです。人の意志が正しく伝われば犬は反対はしません。とても従順な動物です。
しつけに悩む場面はいろいろあるでしょう。おしっこのしつけ、かみぐせの直し方、むだ吠えのやめさせ方、散歩のときのしつけ、留守番の教え方、一泊旅行に連れてゆく、などなどです。
犬は大変頭の良い動物です。じっと見つめられた経験は誰にでもあるはずです。人の上下関係や、人の考えを読み取る能力があります。ですから、たとえばおしっこのしつけでも、屋外と屋内の違い、トイレとベッドの間違い、室内であればトイレ以外の場所でおもらしをするなどには理由があるので、その原因を把握できるかどうかでしつけの半分は達成したといえるほどです。あとは教え方、叱り方のテクニックになります。

犬の本能、狩猟本能

愛犬のしつけに一生懸命な人は、しつけに関する本を買って読んだり、経験者のお話を聞いたりして、なんとか犬との良い関係を築こうとしていることでしょう。しつけ教室へ通うこともあるかもしれません。しかし、注意すべき点としてテクニックよりも大切なポイントがあります。犬の気持ちや習性を理解してポイントを押さえれば、さまざまなテクニックが生きてきます。
「森田式犬のしつけ」という言葉を聞いたことがあるかもしれません。森田式犬のしつけというのは、「ダメ犬しつけ王選手権」第1回大会のテレビチャンピオンだった森田誠さんのしつけマニュアルなのですが、そこにもあるように犬の気持ちを理解しないと努力が空回りして、疲労と挫折感ばかりが大きくなってしまいます。ストレスさえ感じるかもしれません。
しつけを頑張ってもうまくいかない一例が紹介されています。
お座りを教えようとします。おやつをあげるから座ってねとか、おもちゃをあげるから座ってねというようなことをしていませんか。これは犬の習性や気持ちを理解していないやり方になります。つまり犬には本来、動く獲物を追うという狩猟本能があるという習性を無視しているからです。おやつやおもちゃがないと言うことをきかなくなったり、狩猟本能への刺激が強い場合には、野生的で攻撃的な性格が強まってしまうことにもなると言ってます。
犬と人との良い関係は、おやつ欲しさの我慢ではなく、喜んで飼い主の気持ちを理解する「心」の関係です。

犬の本能、支配・服従関係

犬の本能に狩猟本能があるということを書きましたが、犬のしつけにおいてもう一つ忘れてはいけないのは、犬には上下関係に根ざした支配・服従の本能があるということです。
支配と服従は、犬が群れをつくって生きていた頃からの進化の過程で、服従する代わりに自分の身と安全を守ってもらう関係です。飼い主と犬の関係においても、どちらが支配し、どちらが服従するか。犬が自分を支配者の立場にあると理解した場合は、飼い主はさまざまな場面でストレスを覚えお手上げの状況になるでしょう。散歩でもどちらが主導権を持っているのか分からなくなります。リードに逆らって手を焼くようなことはありませんでしたか。
犬が飼い主に服従する関係を理解すれば、「しつけ」の半分は終わっているといえます。犬は飼い主の意思を理解しようとし、よろこんで飼い主の意思に沿うように行動するでしょう。それによって飼い主に守られるという本能です。
犬のしつけにはテクニックも必要ですが、その基本にはこのように、犬の習性や本能を理解した飼い主への信頼感に基づく信頼関係ができなくてはなりません。
無駄吠えをなくす、噛みぐせをなおす、トイレを理解する、留守番の意味を理解する、一緒に旅行をする・・・信頼関係が築かれている犬と飼い主との間では、すべてがストレスなく良好なお付き合いができるようになります。
犬のしつけの初めの一歩は、犬の習性や本能を理解した信頼関係の築き方から勉強してみましょう。子犬のあま噛みなどは信頼関係を確認できれば1分で治せる程度のことだそうです。
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